flavorsour 第三章

40/48

1788人が本棚に入れています
本棚に追加
/402ページ
たかがゲームだというのに何故か其処でもコミュ障モードを発動してしまい、仲間申請を受けてもおいそれと承認することが出来ないでいた。 初期クエストのひとつである『仲間を5人集める』という課題が未だに達成出来ていないのはいつ見てもモヤモヤする。 (あとひとりなんだけどなぁ……) 勿論、仲間となった人たちともあまり交流はなく、ただデイリークエストのためだけに挨拶する程度に留まっている。 こんな私にゲームとはいえ結婚なんてハードルが高過ぎる。と思いつつボッチでもやれるクエストをこつこつとこなしてある程度のレベルまで上げていた。 「蘭ちゃん何処のサーバーでやってんの」 「エメラルドです」 「え、初期のサーバーだね。すごい、そんな初めの頃からやってんだ」 「榛名さんは?」 「ふははは、実は俺もエメラルド」 「そうなんですか」 「うん。今じゃサーバーが10あるほどの人気ぶりだから初期サーバーっていうのは古参揃いだよね」 「一応古参ですけど私、そんなに強くないですよ」 「そうなの? 見せてよ」 「……」 そんな訳で突然ゲームをやる流れになってしまった。 「えぇー、かなりレベル高いけどなんで戦力そんだけなの?」 「デイリーとソロチャレンジしかやっていないから」 「勿体ない! ギルドだって入れば色々特典あるんだよ」 「ギルドって毎日何かしらイベントがあるじゃないですか。それに参加出来ないとすぐに脱退させられると思うから」 「それはギルドに寄りけりだよ。あー、本当勿体ないっ」 「……」 まさか彼とゲームの話でこんなに盛り上がることになるとは思わなかった。
/402ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1788人が本棚に入れています
本棚に追加