flavorsour

flavorsour 第四章

彼女の意外な一面を多く見かける様になったことは喜ばしいと思う。それだけ彼女もこの生活に対してある程度息が抜けているのだろうと思うから。

徐々に素直な感情を態度に出すようになって来たことが素直に嬉しかった。とはいえまだまだ彼女は俺に対して盛大な誤解を抱いたままだが。

ヤッパリワタシハ　レンニハ　カナワナイ

（あーやっぱりまだそう思っちゃうか）

未だに彼女は俺が同性愛者だと信じている。自分の双子の兄のことが好きで、兄との繋がりを持ちたいがために一緒に住んでいるのだと、彼女はそう解釈している。

もっとも彼女と一緒に住むためにそう思うように仕向けたのは俺自身なのだから自業自得といえば全くもってその通りなのだが。

（本当はもっと早くに打ち明けようと思っていたんだけどな）

彼女と同棲するという最初の目的が達成した時点で全てを話そうと思っていた。

仮に真実を知った彼女が俺のことを嫌いになり、同棲を解消すると言ったのなら、そこはまだ傷が浅い時だから諦めもつくと思っていたからだ。

でもその反対に彼女が全てを知っても俺を受け入れてくれて関係を深めたいと思ってくれたらなら其処に嘘は存在しなくなり、お互いとても気楽に暮らせるのではないかと夢見たことも事実だった。