flavorsour 第四章

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彼女の口からより詳しく嶋さん情報を知ることが出来た。 あの植木鉢を貰ってから急に帰り道で彼と遭遇することが多くなったとのこと。 最初は『この辺に越して来た』という彼の言葉に彼女もそんな偶然があるものなんだと大して不思議には思わなかったらしい。 それに彼と会うのは彼女が下車するバス停付近で其処からマンションまでの帰り道はそれぞれ分かれていたので特に気になることはなかったそうだ。 (その辺は心の中で思っていた通りのことだな) 勿論、敢えて初めて訊いたような素振りを混ぜ込みつつ彼女の話に聞き入った。 「でも偶然にしてはやたらと会う回数が多くて……段々バス停より先に行った自宅方面にあるスーパーやドラッグストアでも会うようになって……今日なんてこのマンション近くのコンビニの前にいたんです」 「それは……」 「とてもいい人なので悪いように考えたくはないんですけれど……でもこれってちょっとおかしいんじゃないかなって」 「ちょっとじゃないよ、完全におかしいよ」 「!」 俺の語気強めの言葉に彼女の顔は強張った。 ソンナ……ドウシヨウ 口よりも先に心の中で呟かれた彼女の言葉が明らかに動揺していた。
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