flavorsour 第一章

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最初に会った後、それとなく蓮に榛名さんとはどういう人かと訊いたことがあったけれど『榛名さん? 滅茶苦茶いい人』としか言わなかった。 何を根拠にそう言っているのか分からなかったけれど、確かに今日の合コンでの立ち居振る舞いを見ていたらいい人なのだろうということは分かった。 しかし性格はよさそうだと思うけれどやっぱりあの容姿はいただけない。 私の好みでは全くない。女好きするようなチャラそうな男は大抵外面がいいと今までの経験上分かっているから。 (騙されたりするもんか) ──いや、騙すとか騙さないとかそういう問題ではない そもそも私が榛名さんのことをこうも気にするのは何故なのか。 それはやっぱり最初の出会いでいわれたあの言葉がきっかけだろう。 私のことを分かっているような含みのある言葉が何故か引っかかって仕方がないのだ。 (あの人、どういう人なんだろう) あの見かけ通りの人ではないとしたら──もしかしたら私と同じような巨大な猫を被っている? 同類だからなんらかの匂いで解る的な? (いやいや、そんなことある?) 考えれば考えるほど頭の中が混乱する気がした。 (もう考えるの、止めよう) なんて思ったところでクスッと笑い声が聞こえた。 (え?!) 声がした方向──つまり私の座っている真横を見ると、其処には今し方まで頭を悩ませていた人が座っていた。
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