flavorsour 第四章

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(いよいよヤバい!) ここ最近、どうにも彼女の何気ない仕草に翻弄されている。元々好意的だったがその好意濃度は更に深く濃くなっていっているようだ。 「危ないこと、考えていませんよね?」 「!」 彼女の言葉に心臓が一層大きく鳴った。 (危ないことって……俺が考えていることが分かるっていうのか?!) 彼女のいう【危ないこと】とは──つまり俺が彼女に対して常日頃抱てしまっているやましいことに関することなのだろうか。 (あぁしたいこうしたいって欲望が丸分かりなのか?!) なんて内心盛大に焦っていると的外れ思考を指摘するような彼女の言葉が紡がれた。 「嶋さんに対して何らかの対処をすると言っていましたけれど……」 「ん?」 「かえって榛名さんが危ない目に遭うのは本意ではないですから」 「……」 (それって) 「ひょっとして……心配してくれているの?」 まさかと思いながらもそうだったらいいなと、期待半分込めて訊いてみれば彼女は明らかに顔を赤らめた。 (え、ビンゴ?) そこから彼女は分かり易く動揺し始めた。 「だ、だって私の問題に何も関係がない榛名さんが巻き込まれて何かあったら怖いじゃないですかっ」 「……」 (あー、またそういうことをいう)
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