flavorsour 第四章

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ヨカッタ ナントカ ゴマカセタ 一瞬漏れた嶋の本音に止めを刺す様にレシートを手にしながら続けた。 「時間を取らせてしまってすみませんでした。此処は俺が払っておきますから」 「え、いや、払います。自分の分は──」 「結構です。ただしこれで終わりにしてくださいね」 「え」 「蘭さんに心の底から嫌われたくないのなら金輪際付きまとうような真似は止めてください」 「っ、だから僕は」 「植木鉢」 「!!」 俺の放った言葉に嶋は今まで以上に動揺し固まった。 「俺、全部知っていますから」 「……な」 「俺が言いたいこと、分かりますよね? これまでの行動をあなたが取り続けるとどうなるのか」 「っ!」 「今後のあなたの行動次第で俺、蘭さんに本当のことを話しますからね」 「~~~っ」 「ではこれで失礼します」 そして俺は真っ青になって震えている嶋を置いて会計を済ませ先に店から出た。 (はぁー、とりあえず終わったかな) 念には念を入れわざと遠回りしてマンションへ帰ることにした。まぁ、あれだけ衝撃を受けていたらわざわざ俺の後を付けようとは思わないだろうが。 何度か後ろを振り返ってみるが嶋が後を付けて来る気配はなかった。
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