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(嶋さんはまた新しい鉢植えを持って来るって言っていたけど……)
「鉢植えが欲しいなら俺がプレゼントするよ」
「!」
急に榛名さんがそんなことを言うから驚いた。
(え、なんでいきなりそんなことを)
まるで心の中を見透かされたような言葉に唖然とした──が
「先刻から窓際ジッと見てる。鉢植え、無くなったのが寂しいの?」
「……」
(あぁ、そういうこと)
視線の先を辿れば勘のいい榛名さんならいとも簡単に私の考えていることが想像出来てしまうのだろう。
(本当に考えていることが分かるのかな、なんて一瞬でも考えたりして変なの)
なんて思っていると榛名さんは徐に私の顔をジッと見つめた。
「? どうかしましたか」
「……いや、別に」
先刻まで話していた声音より少しトーンが落ちた言い方が気になったけれど、すぐにいつも通りの口調で話し始めたので気にするのは止めた。
「それより鉢植え。俺から新しいのプレゼントするよ」
「いえ、別にプレゼントされるようなものでは──」
「するから。だからもう嶋さんから鉢植えは受け取らないで」
「!」
榛名さんの言葉に再び驚いた。
「分かった?」
「あ……はい」
「よし。じゃあどんな花、買ってこようかなー」
「……」
しばらく呆然としてしまったけれど、榛名さんの携帯のゲーム画面がいつの間にかフラワーショップ関連のものになっていたのが目に入って我に返った。
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