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(嶋さんから鉢植えを受け取るなって……それってどういう意味で言っているの?)
榛名さんは私が嶋さんから鉢植えをもらうことをよく思っていないのだろうか。
(それはどうして?)
嶋さんには私の気持ちをハッキリと伝えた。そこにもう誤解を生むような要素は何もない。その上で回収された鉢植えの代わりに新しいものをと言っているのだから単純にその好意だけは受け取ってもいいのではないだろうか。
(……もしかして)
情けないことに榛名さんからの言葉の意味を考えられる限り想像して一喜一憂した。
もしかして……いやいや、まさかそんなことは……でも……──なんてあれこれ想像してひとりで戸惑っていた。
それでも最終的に残されたのは嬉しい、という感情だった。
榛名さんが花をプレゼントしてくれる。まぁ、鉢植えなのは少しだけプレゼントとしてどうなのかなと思ってしまったけれど。
(どうせなら花束の方が……って、いやいや、鉢植えの方が長持ちするよね)
今までに花をプレゼントしてもらったことなんて幾度もあったはずなのに、何故か榛名さんからというだけで妙に浮かれてしまうのはどうしたことかと焦ってしまう。
(いやいや、浮かれるな、私!)
浮足立つような感情に流されそうになるのを寸でのところで留める。
(そんなありもしない妄想しても空しいだけなのに……)
そこまで考えて思い出した。どうして榛名さんと一緒に暮らし始めたのか。榛名さんが私に優しくする理由は何なのか。
(それ、忘れちゃいけないんだよね)
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