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私の愛想笑いとか本当はそんなんじゃないんでしょうという発言も全て私の気を引くための口から出まかせだったとしたら──……
(合点がいった!)
これまで疑問に思っていたことがスルスルと解けて行くと驚くほどにスッキリした。
(なんだそうか。いや、そうだよね)
見た目チャラい優男だけれどいい人なのだろうと思ってしまっていた私の想いはまたしても打ち砕かれたようだ。
(まぁ……蓮に惚れたという点においてはちょっと見直すけれど……)
蓮のいいところを知ったからそういう結果になったのだろうと思うとなんだか無碍には出来なくなって来た。
(別に私、同性愛に関しては理解がある方だし)
お互いが想い合っていれば反対する理由は何もない。──だが、しかし
(蓮には花咲里がいるのよ!)
蓮は既婚者だし妻である花咲里は私にとっても大切な義姉。大好きなふたりの仲をこの人が引き裂こうとしているのだとしたら私は──
「──プッ」
「………え」
「ふ……はっ、はははははっ!」
「……」
何故か突然榛名さんが声高に笑い始めた。
(な、何?!)
あまりにも突然のことだったので酷く驚きその場に立ち尽くしてしまった。
「ははははははっ、あ……ははは……腹……痛いっ」
「……あの」
「ちょ、待って……はははははっ──はーっはー……」
「……」
「………ん、もう平気」
ようやく笑い終わった榛名さんは顔を上げて私を見つめた。
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