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「……」
私の少し前を歩いている榛名さんは今、何を思っているのだろう。後姿しか見えないからどんな顔をしているのか分からない。
あえていつもとは違うことをした行動の先には何かを決断して──始めるのか終わらせるのかそのどちらかを選択しようとしているのだろうか。
(……だめだ、考えれば考えるほど頭がこんがらがる)
榛名さんが私に何を話すのか想像だけならいいことも悪いこともいくらでも出来るけれど、もし、実際に悪いことの方の話をされた時、私はどう思うのだろう。
(でもでも!)
崩れ落ちそうな気持ちをなんとか引き上げ、大切に握っているブーケに視線を落とした。
榛名さんがこのブーケをくれたということは──ブーケに何かしらの意味を込めて贈ってくれたとしたのなら……悪いことは言われないのではないかと、そんな風に思ったのだった。
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