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一体今、何が起こったのか──なんて呆然と考えていると彼女は俺をジッと見つめた。
「……私も好き、だから」
「へ」
「イチャイチャするの……好き、なんだから」
「??!!!」
相変わらず頬を染めながら吐き出された言葉に俺の心臓はギュゥッと雑巾絞りされたようになった。まさか彼女がそんなことを言うなんて! という衝撃が凄まじかった。
(キス……された)
まさか彼女の方からしてくるとは思わなかった。思わなかったと同時に彼女にそうさせてしまった俺は情けないと思った。そして彼女のその行動は俺から完全に理性を奪い取った。
「蘭ちゃん」
「っ!」
一旦は萎れていた欲望メーターがフル回転を始めたかのように彼女を抱き寄せその見るからに美味しそうな唇を食んだ。
もちろん彼女からされた触れるだけの軽いキスなんかで鎮まる訳もなく、何度も何度も触れてゆっくりと開き始めた彼女の口内に舌を滑り込ませた。
その瞬間、彼女が分かり易く体をピクンと弾ませたが、それでも彼女は抵抗することなく俺を受け入れてくれた。
時折漏れ出る吐息に身体全体が粟立った。正直こういうキスは初めてではない。だけど何故か彼女とのキスは初めてを味わったような感動を与えた。
(ヤバい……止まらないっ)
彼女が積極的に俺とのキスを続けてくれることで耐え難い衝動を覚えた。もうキスだけでは止まらない──そう思った瞬間、彼女を抱き上げていた。
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