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俺の指や舌によって充分潤い柔らかくなっている其処に膨張し過ぎて痛いぐらいになっている昂りを挿入れたくて仕方がない。
「蘭ちゃん……」
もう一度名前を呼ぶ。彼女は紅潮した顔を見せながらも一瞬躊躇っているようにも見えた。
(あぁ、こういう時こそ考えていることが分かれば)
もどかしい気持ちからそう思ってしまったが聞こえないものは仕方がない。それと同時に、俺は思っている以上にこの能力に依存していたのだと思い知った。
(要らない、無くなればいいとずっと思っていたのにな)
何故かそんな矛盾が脳裏に去来した。
「……です」
「──え」
「……いい、です」
「!」
呆けていた俺に彼女は羞恥を湛えた表情と声で答えた。それは先に心の声が聞こえていたら味わえなかっただろう衝撃と感動を与えた。
無意識に喉がゴクリと鳴った。好きで好きで堪らない彼女の中に挿入れられるという喜びを感じると同時に、何かしらの覚悟が求められたような気がしてほんの少しだけ怯んだ。
だけどそんな気持ちは彼女の高揚した潤んだ目の前では吹き飛んだ。何かに突き動かされたようにサイドテーブルから避妊具を取り出し少しの間だけ彼女から離れた。
(ここまで来てもう躊躇いなんか──)
躊躇い、悩んだところでこの熱を鎮めることなんて出来なかった。
彼女の中に挿入れてもいい準備が整うと再び覆いかぶさった。一瞬目を細めた彼女が俺を見つめて少しだけ口角を上げた。
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