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なまじ抑え込んでいた時間が長かったために一度噴出した気持ちは歯止めがかからなくなった。
彼女を求めたのだって本当はもっとスマートに誘いたかった。出先からの流れだったから先に入浴を進めるべきだと思った。
心身ともに身綺麗になって気持ちにもゆとりが出来たところでさり気なく甘い雰囲気を作り、事に及ぶべきだったと思う。
だけどそんな気遣いをする間もなく俺は彼女を求めてしまった。そんな盛った俺の行動に彼女は嫌がるどころか寧ろ同調してくれたのが嬉しくて……
「はぁはぁはぁ……」
初めてだと言った彼女の純潔を奪ってしまった。
こんな時に思うことではないかもしれないが、処女を抱いたのは初めてだった。今まで付き合って来た女性はみんなそうではなかったから。
だからこそある意味俺にとっても彼女が初めての相手──と思いたいのは都合がよ過ぎだろうか。
「蘭ちゃん、痛くない?」
「……痛い……けど……」
「けど?」
「~~~幸せな気持ちの方が勝ってる」
「?!!」
彼女の濡れた表情と少し掠れた甘い声が更に俺の劣情を煽った。
(なんでこんな時にそんな可愛いことを言う?!)
ただでさえ今の俺はもの凄く我慢している。愛おしい彼女が男には到底想像が出来ないくらいの痛みを感じている中でも俺にすがり、受け入れてくれようとしている様子に罪悪感を覚えながらも悦びを感じていた。
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