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彼女の純潔を俺が奪ったという男特有のいやらしい自尊心が刺激されて感動すら覚えた。だけどその一方で苦痛に顔を歪める彼女に申し訳ない気持ちもあり、快楽を求めることは二の次になっていた。
本当はもっと深く繋がりたい。君の奥深くを強く突きたい。君の熱くて柔らかな粘膜を思い切り──なんて考えれば考えるほどに欲望は膨張しているように思えた。
そんな我慢をしている俺に向かって『幸せな気持ちの方が勝ってる』なんて可愛いことを言われてしまってはなけなしの理性は今にも崩壊しそうだった。
「蘭ちゃん」
「……はい」
「…………動きたい」
「え」
「蘭ちゃんの中、もっと深く感じたい」
「っ」
いくら初めてだからとはいえ俺のしたいことを彼女は本能で知っているようで瞬く間に頬が赤く染まった。だけどこの頃になると俺はひとつの確信に辿り着いていた。
──恐らく彼女はセックスが好きだ、と。
本当の彼女を知らない奴が『セックス』なんて言葉ほど彼女に似つかわしくないものはないと思いがちだろうが、ここに来て俺は分かってしまった。
「蘭ちゃんって本当はエッチ、したくて仕方がなかったんでしょ」
彼女からの明確な答えを聞く前に思ったままのことを口走ってしまった。当然彼女は驚き、そして抗議の声を上げる。
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