1825人が本棚に入れています
本棚に追加
しかし外したゴムに薄く色がついていることに気が付く。
(こ、これって…!)
焦ったように彼女に向き合い淡く光っている薄紅色の蜜を優しくティッシュで拭った。
「は、榛名さん?!」
「血が、出ているから」
「──あ」
その言葉を訊いた彼女はあっという間に顔を赤く染めた。どうやら俺の言葉の意味をすぐに理解したようだ。
「ごめんなさい!」
「ん? どうして謝るの」
「だって……」
彼女がもじもじしているその仕草を見て言いたいことが手に取るように分かった。だけど彼女が思っているだろうこととは裏腹に、俺は何ともいえない幸福感に包まれていた。
「俺……今すっごく幸せ」
「──え」
「だってこうしていると蘭ちゃんの初めてをもらったんだって実感が益々湧くから」
「!」
俺の言葉が意外だったのか、真っ赤な顔になった彼女は小さく「……変」と呟いた。勿論その呟きを訊き逃すはずもなく俺はにっこりと笑いかけた。
「うん。俺、変かも。でも本当に最高に幸せなんだ」
「~~~っ」
俺の言葉が嘘偽りのないことだと分かってくれたのか、彼女は赤らめた顔を隠す様に俺の胸にギュゥっと埋めた。その一連の流れが可愛くて可愛くて……
「もう一度したい──けど……痛いかな」
「~~~だ、大丈……夫」
「してもいいの?」
「……うん」
もう一度彼女の中へ入る許可を得た俺は本当に幸福絶頂の中にいたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!