flavorsour 第一章

44/52
前へ
/402ページ
次へ
(どうしていきなりこうなった?!) 「つ、つまり……結婚を前提で一緒に住みたい……と?」 「はい、そうです」 「……」 (あぁ……お父さんもお母さんも目を白黒させている~~~) 今のこの状況、私でさえよく分かっていないのだから当然だ。 ──話を遡ること半日ほど前 榛名さんと食事の約束をした昨夜、会った途端突然プロポーズされた。 そこに至るまでの彼の話──というか、事情によって私は彼との結婚を考えるようになってしまった。 だけど完全にプロポーズを受けたわけではない。そんなにいうのなら先ずは結婚を前提にお試しで付き合ってみましょうか? と、そう彼に返事をした。 だけど何を勘違いしたのか彼は私と別れた数時間後、朝のかなり早い時間に我が家へ来訪して来た。 そして出迎えた祖母に『蘭さんとのことでお話があるので取り次いでください』と言ったらしい。 慌てた私と両親は素早く身支度を整え、リビングで祖母の淹れたお茶を飲んでいる彼の元へと駆け付けた。 すると彼は開口一番に「蘭さんと結婚したいです」とドストレートに両親に告げた。 勿論呆気に取られる両親。私も両親に倣って呆気に取られた。 (何故いきなりこんな展開に?!) 若干寝呆けている頭に彼の言葉のおかしさについて行っていない。 ──そして今に至る
/402ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1808人が本棚に入れています
本棚に追加