flavorsour 第二章

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(あぁ……そういう顔、いいなぁ) 元が美人系。澄ましている顔は如何にもな美形だが俺としてはそういう愛嬌のある可愛い系の方が好みだ。 (ずっとそんな顔、していればいいのに) 「──榛名さん、訊いていますか?!」 「はいはい、訊いているよ。ごめんね、アプリゲームしていたらつい寝落ちしちゃって」 「……そういうのは部屋でやってください」 「……」 アプリゲーム  ナニヤッテイルノカシラ…… 「榛名さん?」 「MMORPGの金の帝国っていうゲームなんだけど」 「えっ!」 「ん?」 「……い、いえ」 「……」 (そっかそっか、君もやっているんだね) 彼女の分かり易い反応に触れていると先刻まで俺を襲っていた悪夢がほんの少し和らいだ気がしたのだった。
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