flavorsour 第二章

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後輩社員の伊志嶺蓮の双子の妹、伊志嶺蘭と一緒に暮らし始めて一日。 引っ越し翌日の日曜日の今日、引っ越しの疲れから話し合えなかったことを色々とした。 お互い他人と暮らすのはこれが初めてという状況の中、戸惑いながらも必要最低限のルールを決めなければいけない。 「家に入れる生活費は項目別にリストアップして其々折半することにしましょう」 「了解」 「平日の朝食は私が作ります。昼食は私はお弁当を持って行きますが榛名さんはどうしますか」 「あ、俺も弁当がいいなー。その分の費用や手間賃支払うから作ってくれない?」 「お弁当の費用、手間賃は特に要りません。家の食費に少しだけ上乗せします」 「それでいいの?」 「大した手間ではないので構いません」 「蘭ちゃんってお嬢様なのに料理出来る人なんだね」 「私はお嬢様ではありません。それに仮にお嬢様だとしても全てのお嬢様が料理が出来ない人ばかりではありません」 「まぁそうなんだけどさ、俺の知っているお嬢様って肩書の女性は出来ない人ばかりだったからさ」 「……」 (あ、なんかちょっと怒った) 俺の中に流れて来る彼女の感情がほんの少し剣吞としたものになったのを感じた。
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