flavorsour 第二章

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「はぁ? 別れるってどういうこと?!」 「どういうことって、そのままの意味だけど」 「意味分かんないから訊いてるの! なんで突然別れるなんて言うのよ」 「ごめん、飽きちゃった」 「は?!」 「だって美咲、体だけなんだもん。あとお金? 俺のお金、当てにしてブランド品強請り過ぎ」 「そ、そんなの今に始まったことじゃないでしょう?! っていうか彼女にだったら出し惜しみしないで欲しいもの買い与えることぐらいしなさいよ!」 「──ふ」 「! な、何よ。なに急に笑って──」 「あ、いや、今の美咲、俺、嫌いじゃないよ」 「は? なに言ってんの? 本当訳が分からない!」 (あぁ、分からなくていいよ) ほんの昨日までは最高にいい雰囲気だったのに一晩経ったらいきなり別れ話された彼女が怒るのは無理もない。 だけどだからといって彼女に真意を話すつもりもなかった。 ──あの日以来、俺は自分が辿り着いた回答が正しいのかどうかを検証するために日々を費やして来た そして何度目かのこういった状況で確信を得て、安堵感よりも嫌悪感の方が勝ってしまっていた。
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