flavorsour 第二章

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カザリカザリカザリカザリカザリ (は?) カザリカザリカザリカザリカザリ (何かの呪文……か?) 突然頭の中に流れ込んで来た彼の心の声はずっと同じ言葉を繰り返していた。だけどその言葉の意味はさっぱり分からない。 (カザリ……飾り?) 何かを飾り付けなければいけない事案でもあったのかと思わず考え込んでしまった。 聞いてはダメだ、感じてはダメだと強く思いながらも彼の人間性に惹かれてしまっていた俺はとうとうパンドラの箱を開けてしまった。 今までのように彼も表面上だけいい人だったらどうしよう。本性を知ってしまったらこれからどう彼と接していいのか分からなくなる。──なんて不安よりもわずかに好奇心の方が勝ってしまった結果…… カザリカザリカザリカザリカザリ (えぇぇー、一体何を呪っているんだい、伊志嶺くん!) 予想していたよりも遥かに斜め上を行く彼の本音に恐れていた失望感は襲ってこず、それどころか益々伊志嶺蓮という男に興味津々となってしまった。
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