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次に彼女と顔を合わせたのは合コンの席でだった。
（なんで彼女が此処に？）
一瞬嫌な気持が湧いたがそれは一緒にいた女性の「え、何何？ そちら、彼女と知り合い？」という言葉から彼女の本音が聞こえ始めてからは消え失せてしまった。
（あぁ、そういうこと）
よくある人数合わせのために強引に連れて来られたということが分かってホッとした。それと同時にどうやら彼女は周りから彼氏持ちだと思われているようだということも知った。
（まぁ思われるだろうね、その器量よしじゃ）
彼女は心の中で盛大に彼氏無しの理由を述べている。勿論表面上ではそんなことは微塵も感じさせないほどに優雅に会話を交わしているが。
（なるほど……。伊志嶺くんの存在を知られたくないのか）
彼女の焦りを読み取った俺は当たり障りのない理由を語り、彼女のその場の窮地を救った。
彼女が一瞬戸惑いの表情を浮かべたが、すぐに心の中で
アリガトウ！ キヲキカセテクレテ！
と盛大にお礼を述べてくれた。
（素直な子だなぁ）
そんなことを思いつつ彼女を見ていたら目が合った。見開いた大きな瞳が少しだけ彼女を幼く見せ思わず笑みが零れた。
俺のその笑顔に対し彼女は疑問を抱いたようだが、そんな仕草さえ可愛いと思えてしまった。
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