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夕食後、エレベーターへ向かう3人。
「あ、私コンビニ行ってくるね。2人は行く?」希望が話しかけた。
「私はいいや。」
「私も。帰ってきたら休憩コーナー集合ね。」
「分かったー!また後でね。」
研修センターを出て、希望はコンビニに向かった。
勉強して頭使うと、いつも以上に甘いものが欲しくなるんだよねぇ。お風呂上がりのビールも外せないし!
レジでお会計を済ませてズシリと重いレジ袋を持ち、希望は寮への道をまた歩き出した。
寮に戻った希望は、部屋にある小さな冷蔵庫にビールを収めた。女子フロアの休憩コーナーに向かうと、香菜と美乃梨がソファに座り談笑していた。
「おかえりー。」
「ねえ希望、昨日の北海道会の会費払った?」
「え?あの時湊くんに札幌の皆の分まとめて払ってもらって……あ、まだ払ってなかった!」
北海道出身の社員が研修等で長期間東京に滞在する時は、関東の北海道出身の先輩方との懇親会(という名の飲み会)、通称「北海道会」が催される。
研修が始まって数日で半ば強制的に参加させられた飲み会だったのに、料理も美味しかったし、いろんな人と話せて当初は憂鬱だったけど意外と楽しい時間になった。
何より、テストや講師の先生の情報、事例研究や班別討議のポイントなど2ヶ月を乗り切る情報を教えていただき、本当に助かった。
社会人になるまでは、お付き合いの飲み会なんて主要行事以外は極力パスしたいと思っていたのに。何事も、実際に体験してみないと分からないものだ。
「私も美乃梨もまだ払ってなかったからさ、今から湊に渡しに行こうと思って。」
「ごめん、私財布部屋に置いてきたから取ってくるね。」
「ここで待ってるよー。」美乃梨がにっこりと手を振った。
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