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年次研修当日。
「美野さん、肌キレイだね」
「どんな風にケアしてるの?」
お昼休みに、美容部員の同期に話しかけられました。
どちらかと言えば引け目を感じて敬遠していたのに、今は自然に話せているのが不思議です。
少し自信がついたおかげでしょうか。
あとは田中くんに声をかけるチャンスを逃さないようにしないといけません。
そんな訳で、研修終了後田中くんを探していたら、廊下の曲がり角の向こうから、彼の声が聞こえてきました。
「彼女とはどうよ?学生時代からだろ、続いてんの?」
「んー、まあぼちぼち」
「と言いつつ幸せそうな顔しやがって!あー、羨ましい!俺も彼女欲しい!」
おかしなことに、田中くんに恋人がいると知っても全くショックじゃありませんでした。
告白する前に気づけて良かった。
自分が好きなのは違う人なんだって。
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