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「私は、原田課長が好きなんです」
ちゃんと目を見て言えた。
それだけで十分だと思っていたのに。
「奇遇だな」
銀縁眼鏡の縁に指先で触れながら、原田課長は言いました。
「俺も君の事が好きなんだが・・・どうしようか?」
課長が両腕を広げて待っています。
銀縁眼鏡の奥の瞳が、微笑んでいます。
私は迷わず課長の胸に飛び込みました。
「なれたじゃないか」
低くて甘い声が耳もとで響く。
「好きな人に自信を持って好きと言える女性に」
「・・・はい!」
この日から、原田課長は私の上司兼師匠兼彼氏になったのです。
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