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出会い
夜と深夜の間の時間、佳亮(よしあき)は二泊三日の出張から定時後のミーティングという長時間労働から漸く解放されて家に帰る途中、マンション近くのコンビニに寄り道をした。不景気のあおりを食らったコンビニには、余分な買い物をする人はいない。中途半端な時間である所為もあるだろうけれど、店内は寂しいものだった。
本当は、帰ってちゃんと自炊したほうがいいのだろう。でも今日は本当に仕事で気力を使い果たしてしまったし、今から帰ってお風呂に体を沈めるのが精一杯だ。夜中に空腹を感じないように、重すぎず軽すぎないメニューを選び、籠に入れた。
(あ、牛乳切れてたんやった)
ふとレジに向かおうとした一瞬で、出張前に片付けてしまっていた冷蔵庫の中身を思い出して、それもあわせて籠に入れる。会計をしよう、と思ったとき、黒いコートの背中に先に並ばれてしまった。
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