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プロローグ
明るい色の髪に、綺麗な顔立ち。大きな目を細めて、ふんわりと優しく笑う。
最初に会った時、童話に出てきた王子様みたい、って思った。
礼儀正しくて、年下とは思えないくらい落ち着いていて、仕種のひとつひとつも洗練されてた。
「芽衣子さん、でいいですか?」
戸惑いながら私の名前を呼んで、小首を傾げる。名前を呼ばれて泣きそうになったのは初めてで、あ、一目ぼれしちゃったのかも、って思った。
真壁志貴さん。ふたつも年下の男の子に、私はずっと片思いしていた――。
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