ヤクザの息子

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 宮田と響が無事に車に乗り込んだ所で、俺はスマホに打ち込んだ文章を宮田に見せた。 『前田は響に接触したか?』  助手席に乗り込んだ宮田は自分の首の後ろ辺りをトントンと指で叩いたので、響の首もとを注視する。  くそっ、あのタヌキめ…。  スーツの襟もとに小さなチップのようなものが見えたので指で摘まんで、車から乱暴に外へ放り投げた。  全員無言のまま屋敷へと車が戻っていき、様子のおかしい響をまずは風呂へと押し込んだ。  脱いだスーツをくまなくチェックしたが、あのチップ以外の盗聴器は出てこなかったのでようやく口を開く。 「……とりあえず、事情は響に聞いておくからお前達はもう休め。」 「かしこましました。どうか、頭もゆっくり休まれますように。」 「あぁ。また向こうの出方待ちになりそうだ。毎回お前達には待ってもらってばかりですまないな。」 「とんでもないッス!それより、前田の野郎も長田も…今度会ったらただじゃおかないッスよ!」 「そうだな。…明日の朝食はお前の好きなソーセージとオムライスだから、いっぱい食べられるよう早く寝ろよ。」 「マジっすか!さすが、孝一さん!ありがとうございます。はい!すぐ寝ます!!お疲れ様ッス!」  パタパタと廊下を駆ける足音が遠ざかっていき、俺と都築は顔を合わせてフッと笑った。 「…アイツの美徳は素直さだな。」 「ですね。私も見習いたいものです。」 「俺もだ。」  色んな感情を押し殺し、表情に出さないようにしているうちに……あっけらかんとなにも考えず素直にものが言えなくなっていくのは、俺も都築も同じなのだろう。   「では、お先に失礼します。」 「あぁ。」  都築も下がっていき、廊下には俺一人になった。  脱衣場へ続く扉に手をかけ中へ入っていくと、奥の風呂場からバシャンと大きな水音が聞こえてきたので、慌てて服を脱いで中へ入った。 「どうした響?だいじょう…ぶ…」  俺は思わず言葉を飲み込んだ。  黒い艶やかな髪が腰までゆるりと背中を伝い、ほんのり上気した肌と潤んだ瞳の響が──今まで見た誰よりも色っぽくて美しい。  尻もちをついたような格好をしたまま、首を傾げた響にゆっくり近付いていく。 「気分はどうだ?」 「…大丈夫です。ただ……」 「ただ、何だ?」  俺から視線を逸らせた彼女は、モジモジとするばかりで答えない。 「とりあえずそんな格好のまま床に座り込んでいたら風邪を引くぞ。湯船に浸かれ。」 「……はい。」  ザブンと肩まで浸かったのを見届けてから、俺も全身を洗い流す。  頭を洗い終え、次は体を洗っていると。  横からの視線を感じたのでふと見ると、響は慌てて顔を逸らした──その潤んだ瞳と、ふわっと赤く染まった頬に、ゾクッと欲望が身をもたげる。  邪念を振り払うように勢いよくお湯をかぶり、落ち着いてから狭い湯船に俺も浸かった。 「そう言えば、店から出てきた時ふらついてるように見えたが…酔ったのか?」  俺に背中をさらしている彼女は、ふるふると横に首を振る。  湯船の中なのに、少し震えている様子の響にそっと手を伸ばして肩に触れるとビクンと体を揺らし甘い声を上げた。 「あっ、ダメ……です。今は……」  はぁはぁと荒い息を吐き、自身を抱きしめるようにして小さくなる響を見て。  俺は、細い体を後ろから抱き締めていた。 「っ!……孝一さ………」 「まさか、お前……盛られたのか?」 「……ごめんなさい…迷惑は、かけませんので……」 「バカか。自分の心配をしろ。それとも、俺が触れると迷惑か?」  思わず出た気弱な言葉を聞いた響は、首をこちらに向けて強く言い放った。 「そんなこと、ありません!私は……っ」  切なげに瞳を揺らした響に、胸が掴まれたようにぎゅっと絞られる。  彼女の顎に手をかけ、濡れた唇に誘われるままその甘い口を塞いだ。 「んっ、ふっ………んんっ…」  唇を食むと、ふるっと体を震わせた響はより一層甘い声を上げた。  舌を絡め合い酸欠になるほど、何度も何度もキスを繰り返した。 「…あっ…孝一さん……あぁっ!」  柔らかい胸を揉んで、すでにピンと主張している尖りを指で弾くとピクンと可愛らしい反応が返ってくる。  膨らみを掌全体で愛撫して、指先でコロコロと敏感な突起を摘まんだり爪で掻いてやると、その度に彼女から嬌声(きょうせい)があがった。 「響……」 「んんっ!孝一…さ………ぁっ!そこ、あぁぁっ!」  するするとお腹を伝って足の付け根に手を入れると、ぬるりとした感触が指に伝わってくる。  蜜を溢れさせる秘裂を優しく撫でるだけで、じわりと新しい悦びが奥から溢れ出す。  熱く濡れた彼女の媚肉(びにく)に指を2本入れ、内側の感じる場所をグリグリと擦りあげると背中を大きく反らせた響はあっという間に達して、中の指をきゅうっと締め付けた。 「あっ!も、ダメです…そこ…はぁぁっ…またイク!」 「いいぞ。何度でもイケ。ほら。」 「やぁ、出るでる……出ちゃう…ぅぅんんん!」  快感から逃げるように腰を揺らしてきたので、ガッチリ左腕を回して腰を掴み、そのまま中を擦り上げると中を収縮させて俺の指を締め上げた。  この中に挿れたら、たまんねぇだろうな。  はぁはぁと肩で息を吐く響を抱き締めようとした時、くるりと反転して彼女はこちらに体を向けた。 「孝一さん……もっと…んんっ、ん…」  俺の頬を両手で挟んで、彼女は舌を伸ばして深いキスをしてきた。  瞳に浮かぶ熱く、切なく、甘い色に俺の思考は溶けていく。  口内に入ってきた舌に舌を絡め、吸い上げてやると鼻に抜ける高い声が彼女の喜びを表していた。 「響…」 「孝一さん……っあ、ああぁぁっ!」  欲望の猛りをズブズブと響の中に埋めていき、奥をコツンと叩いた瞬間、内壁をわななかせて俺自身を凄い勢いで締め付けてきた。 「くっ、……挿れただけでイッたのか?」 「はぁっ、だって孝一さんのが……嬉しくて……」  心底嬉しそうに顔を綻ばせた響を見て、思わずぎゅっと彼女を抱き締めた。  彼女は……薬を盛られて正気じゃないんだ。  そう言い聞かせないと、俺の心が暴走してしまいそうだ──彼女も俺に心を寄せていると、誤解してしまいそうになる。  向かい合って座るような態勢で繋がっている俺と響は、どちらともなく惹かれあうように唇を合わせた。  
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