【第二部】01. 再出発

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「……どうしよっか。続き、見る?」 「んー」 悩むような声をあげた孝弘は、画面を1つ戻して各話の内容説明を見る。 「次、2話連続っぽいからまた今度にしよう」 「そうだね」 ちょうどお酒も飲み終わった頃だ。 テレビを消してグラスを片付けにキッチンに向かう。 グラスを洗っていると後ろから緩く抱きしめられて、頭の上に――頬だろうか。何かが触れる感触があった。 「また忙しくなり始めるんだけど」 「うん」 「彩香、週末以外でも来れたりするか。迎え行くし、時間合えば朝は駅か会社まで送る。無理な時はタクシー呼ぶけど」 「いや、そんなことしなくても、来れる時は来るよ。ずっと週末だけってのも無理があるしね」 私はあまり土日出勤がないけれど、孝弘の場合は土日にイベントがあったりで忙しいことも多い。 今後より孝弘が多忙になる中で会う時間を確保しようとするなら、金土日にこだわらない方がいいに決まっている。 「ありがとう」 「ううん。私も、会える時に会っときたいから」 グラスを洗い終えて、水切りの上に置く。 それを待っていたかのようにぎゅうっと強く抱きしめられて、お腹に回された腕に、私はそっと手を添えた。 「彩香」 「うん」 「……好きだ」 突然の言葉に、少しどきっとしてしまう。 「私も」と小さく返せば、首筋にキスされる感覚。 耳たぶを甘く()まれて、頬にも軽くキスが降ってくる。
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