【第二部】01. 再出発

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「いや、細いよ。あんま激しくしたら壊れそうで、怖いくらい」 「……その割に、結構激しいよね」 「…………」 自覚はあったのか。 だんまりを決め込む孝弘が面白くて、抱きついている状態から少し身体を離してみる。 「……今日は、優しくしてくれる?」 「…………努力する」 たっぷり5秒くらいためてからの返答だった。 思わず笑ってしまうけれど、後ろ首に手が添えられたかと思うと深く唇が重なり、声が途切れる。 「ん……」 熱い舌が唇を割って入り、中をかき乱していく。 ゆっくり歯列をなぞる、自分のものではない舌。 侵食されていることを自覚した途端に、ぞくっと僅かに身体が震える。 絡みつき、時に柔く吸って刺激を残し、じわじわと私を高めていく彼。 いつしか私も夢中になって、キスの狭間に熱い吐息を零していた。 「腕、上げて」 緩いTシャツをすぽんと抜かれて、キャミソールもブラも手際よく脱がされていく。 私ばかり裸になっていくのが恥ずかしくて孝弘のTシャツの裾を引っ張ると、意図を察した彼はそれを脱ぎ捨てた。 再び抱きしめられると素肌同士が触れ合って、ダイレクトに彼の熱を伝えてくる。 ただ――。 「ん、くすぐった……」 孝弘を跨いで座っているから、普段と位置関係が逆転して、私が孝弘より頭半分くらい高い状態。 彼の顔が私の胸元にあり、吐息や髪がさわさわと触れてくすぐったい。 思わず身じろぎをすると、「落ちる」とまた引っ張り戻されて、孝弘の上にペタンと腰を下ろすことになったのだが。 「ひぁっ!」 腰を下ろした先には硬くなった彼のものがあり、敏感な部分を服越しに刺激されて、慌てて腰を浮かせる。
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