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「いや、細いよ。あんま激しくしたら壊れそうで、怖いくらい」
「……その割に、結構激しいよね」
「…………」
自覚はあったのか。
だんまりを決め込む孝弘が面白くて、抱きついている状態から少し身体を離してみる。
「……今日は、優しくしてくれる?」
「…………努力する」
たっぷり5秒くらいためてからの返答だった。
思わず笑ってしまうけれど、後ろ首に手が添えられたかと思うと深く唇が重なり、声が途切れる。
「ん……」
熱い舌が唇を割って入り、中をかき乱していく。
ゆっくり歯列をなぞる、自分のものではない舌。
侵食されていることを自覚した途端に、ぞくっと僅かに身体が震える。
絡みつき、時に柔く吸って刺激を残し、じわじわと私を高めていく彼。
いつしか私も夢中になって、キスの狭間に熱い吐息を零していた。
「腕、上げて」
緩いTシャツをすぽんと抜かれて、キャミソールもブラも手際よく脱がされていく。
私ばかり裸になっていくのが恥ずかしくて孝弘のTシャツの裾を引っ張ると、意図を察した彼はそれを脱ぎ捨てた。
再び抱きしめられると素肌同士が触れ合って、ダイレクトに彼の熱を伝えてくる。
ただ――。
「ん、くすぐった……」
孝弘を跨いで座っているから、普段と位置関係が逆転して、私が孝弘より頭半分くらい高い状態。
彼の顔が私の胸元にあり、吐息や髪がさわさわと触れてくすぐったい。
思わず身じろぎをすると、「落ちる」とまた引っ張り戻されて、孝弘の上にペタンと腰を下ろすことになったのだが。
「ひぁっ!」
腰を下ろした先には硬くなった彼のものがあり、敏感な部分を服越しに刺激されて、慌てて腰を浮かせる。
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