【第二部】01. 再出発

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「……っ、」 孝弘も短く息をつくけれど、自分が持っていかれないように上手く調整しているのか、まだ果てる様子はない。 このままでは私ばかりが高められ続け、本当に駄目になってしまいそうだ。 「むり、だか、らぁ……も、出して……っ」 我慢なんていいから、この恐怖を覚えるまでの快感から早く解放してほしい。 力の入らない身体をなんとか動かして、脚を孝弘に絡めるようにする。 「はっ……、えっろ……」 堪らない、というように舌なめずりをした彼は、私の片足をぐいっと持ち上げて、自分の肩に乗せるようにした。 「え、きゃ、……あああっ!」 深く強い交わりに、悲鳴じみた嬌声が零れていく。 「ん、あ、やめ、んぅっ、…あ、……んあぁっ!」 腰を打ちつけられるごとに漏れる声は、手の甲を口元に当てたところで止められない。 激しい動きはともすれば痛みにもつながるのに、何かの(タガ)が外れてしまったらしい私の身体は、全てを強烈な快感だと受け取った。 「あ、ああああっ!」 「……っ、ん」 吐息混じりの小さな声を漏らした孝弘は、出し切るように、脈動する中を緩やかに動く。 快感に堪えるように眉根を寄せ、少し唇を噛んだ表情はとんでもなく色気を放っていて、胸の奥がきゅんと鷲掴みにされたような心地がした。 「ん、ぁ……」 ずるりと引き抜かれて、その刺激にも微かにひくついてしまう自分の身体が恨めしい。 孝弘も私の反応を感じ取ったのか、目を細めてニヤリと笑った。 「そんなことすると、もう1回したくなる」 「もう無理ぃ……!」 勢いよく首を横に振る。 身体は貪欲に快楽を拾ってしまうけれど、今日のやたら敏感な身体で2回戦に突入したら、途中で気絶しそうだ。
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