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「……っ、」
孝弘も短く息をつくけれど、自分が持っていかれないように上手く調整しているのか、まだ果てる様子はない。
このままでは私ばかりが高められ続け、本当に駄目になってしまいそうだ。
「むり、だか、らぁ……も、出して……っ」
我慢なんていいから、この恐怖を覚えるまでの快感から早く解放してほしい。
力の入らない身体をなんとか動かして、脚を孝弘に絡めるようにする。
「はっ……、えっろ……」
堪らない、というように舌なめずりをした彼は、私の片足をぐいっと持ち上げて、自分の肩に乗せるようにした。
「え、きゃ、……あああっ!」
深く強い交わりに、悲鳴じみた嬌声が零れていく。
「ん、あ、やめ、んぅっ、…あ、……んあぁっ!」
腰を打ちつけられるごとに漏れる声は、手の甲を口元に当てたところで止められない。
激しい動きはともすれば痛みにもつながるのに、何かの箍が外れてしまったらしい私の身体は、全てを強烈な快感だと受け取った。
「あ、ああああっ!」
「……っ、ん」
吐息混じりの小さな声を漏らした孝弘は、出し切るように、脈動する中を緩やかに動く。
快感に堪えるように眉根を寄せ、少し唇を噛んだ表情はとんでもなく色気を放っていて、胸の奥がきゅんと鷲掴みにされたような心地がした。
「ん、ぁ……」
ずるりと引き抜かれて、その刺激にも微かにひくついてしまう自分の身体が恨めしい。
孝弘も私の反応を感じ取ったのか、目を細めてニヤリと笑った。
「そんなことすると、もう1回したくなる」
「もう無理ぃ……!」
勢いよく首を横に振る。
身体は貪欲に快楽を拾ってしまうけれど、今日のやたら敏感な身体で2回戦に突入したら、途中で気絶しそうだ。
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