02. 深まる関係

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――21時を少し過ぎた頃。 「……お疲れ」 「おお! ありがと、工藤さん」 月曜から残っている人は少なくて、島には私と横山さんだけ。 私は下のコンビニで買ってきたコーヒーと、1口サイズのお菓子を差し出した。 さっそく1つ食べながら、横山さんがニッと笑う。 「この間の差し入れのお返し?」 「そんなところ。あと、ちょっと話したいことがあって」 「話したいこと?」 不思議そうにこちらを見る彼に、少し声を潜めて尋ねてみる。 「直球に聞くけど……御園さんのこと、気になってる?」 「えっ!」 目を見開いた横山さんは、周囲を気にするようにきょろきょろと見回した。 近くの島に人がいないことを確認して、そっと頷きを返す。 「……バレた?」 「もしかしたら、ってくらい。別に露骨だったからとかじゃないから、そこは安心して」 「はぁ〜、よかった」 横山さんは誰にでもフレンドリーだしノリがいいから、むしろかなりわかりづらい方だろう。 「なんで気付いたの?」 「LIBRAのチケット、最近当たりにくいんでしょ。それをあげるってことは、まあそれなりに特別なのかなって。あと、ランチの時とか、御園さん見てる気がしてたから」 「うわ……、めちゃくちゃバレてるなぁ。入社して早々、年下の子に手出そうとするのはちょっとな〜と思って、俺、割と気をつけてたんだけど」 「気付いてるのは私ぐらいだろうから大丈夫だよ」 ふぅ、と軽く溜息を吐いた彼は、気持ちを落ち着けるようにコーヒーへ手を伸ばした。
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