2. 赤城くんとブーちゃん

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2. 赤城くんとブーちゃん

 転校2日目、早速、嫌な事があった。  それは身体測定中に起こった。  男のくせにと思うかもだが、僕は裸を人に見られたくない。  太っているとか、アザがあるとか、具体的な理由がある訳じゃないけど、自分をさらけ出すようで嫌なのだ。  小学生5年生で僕と同じ考えの奴はいないらしく、保健室はギャーギャー騒ぎながら同級生はパンツ一枚で騒いでいる。  巻き込まれないように、そそくさと身体測定ゾーンで身長や体重を測る。  座高や胸囲測定が終わった時に、デリカシーがなさそうな男子が、僕の胸囲のサイズを見て声をあげた。 「青野くん、顔はペラっとしているのに、胸囲、厚くね?」  そいつの声はよく通るので、周りの奴らが集まってくる。  やばい…。これはイジメの前兆だ。 「顔に似合わず、しっかりした胸囲を持つ男」として公園で踊らせられるかも。  ネガティブな想像でワナワナ震えていると、赤城くんが近づいてきた。 「おい、ちゃんとやれよ。」  低めの一声で、ふざけていた男子は解散した。  赤城くんはクラスの裏ボスなのだろうか?  僕の中では、お礼を言うべき案件だが…、勇気がない。  結局、2日目も特に誰と話すわけでもなく、僕は1人で家に歩いて帰る…。
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