999人が本棚に入れています
本棚に追加
/87ページ
「…ありがとうございます。私も、かえでの事務所の方に、今日のことをきちんと電話してきます。」
ぺこり、お礼を言ったひよりは車を降りていった。 それと代わるように、潮音さんが運転席に戻る。
「お前覚悟しとけよ。許可出たけど、社長がめちゃめちゃ面白がってたぞ。」
「えー…めんどくさー…」
お前が悪い、と楽しそうに笑う潮音さん。
「潮音さんありがとう。」
「素直で気持ち悪いな。
で。珍しくこんなにお前が動かされてるのはなんで?」
「…気になる点が、多すぎるんだよ。」
「…まあ、確かに。まずなんで一緒に暮らしてないんだこの子達。」
潮音さんの言葉はまさにその通りだった。
どうして兄弟が一緒に過ごす日は、わざわざ事務所に連絡する必要がある?
「______とりあえず1つ。
かえで。
そんなにしがみつかなくても、もう大丈夫だけど。」
「…え、」
俺がそう言うと、潮音さんも驚いたように振り返る。
最初のコメントを投稿しよう!