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「___すばる。ひい姉を、守ってくれる?」
震えるか細いその声は、ひよりにそっくりだった。
基本的に俺は、面倒なことが好きじゃない。
そのはず、なんだけど。
「分かった。約束する。」
ぎゅ、と小さな身体を抱きしめて自然にそう答えていた。
ちらり、車から窓の外を見ると、電話をしているひよりの後ろ姿が夜の闇の中でぼんやりと見える。
あまりにも頼り無く、線の細い彼女から俺は目を離せなかった。
アイスブルーの瞳が、脳内で鮮明に映し出される。
"でも、絶対これから昴は出会うと思うよ。
距離なんてお構いなしに、追いかけたくなる人。"
志麻の言葉を、何故だか思い出していた。
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