02.レッドは、絆される

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__________ _____ 「…ここ、自由に使って良いみたいだから。」 「あ、ありがとうございます…かえでのこともずっと抱えていただいてありがとうございました。」 事務所まで送り届けてくれた潮音さんは、忙しそうに去っていった。まだ仕事するつもりなのか。 そうして辿り着いた仮眠室。 部屋自体は決して広くはないが、ベッドとサイドテーブルに、テレビと洗面台。 最低限のものは揃っており、会社の人間はよく使っている。 「ベッドに寝かせていい?」 「あ、はい…!ありがとうございます。」 "すばる、ひい姉を守ってくれる?" 先程そう言っていたかえでは、俺の返答に今度こそ安心したのかすやすやと眠っている。 「……聞きたいことがいくつかある。」 「…はい。」 「嫌なことは、答えなくていいから。」 「いえ。穂積さんになら、大丈夫です。」 「今日会ったばかりなのに?」 人をそんな簡単に信用できるか? 冷たいから笑いと共にそんな言葉が口を注いて出てしまった。 怖がらせたか、そう思って隣を見やると、ひよりは困ったように笑う。 「こんな厄介ごと、普通は引き受けてくださらないですよ。 穂積さんはきっと、とても優しい方です絶対。」 「どっちなんだよ。」 "きっと"なんて言いながら、語尾には"絶対"が付いたちぐはぐの言葉に思わず笑ってしまった。 ひよりの高めの声は、鼓膜に優しく響く。
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