02.レッドは、絆される

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ベッドの隣の、誰かが持ち込んだのであろう簡素な2つの丸椅子に、並ぶようなかたちで腰を下ろす。ギシリと悲鳴ような音が静かに部屋に響いた。 「……今日のあれは誰?」 「あれは、私の遠い親戚にあたる方です。かえでが、芸能界に入るきっかけになった方でもあります。」 「…親戚に、あんな怯えてたってこと?」 直球でそう尋ねると、ひよりは分かりやすく肩を揺らした。どうやら図星らしい。 「怯えている、わけでは…」 「…2人のご両親は?」 「…いません。」 「、」 「父は、かえでが生まれる前に病気で亡くなりました。 …母は、3年前に、事故で亡くなりました。」 「…そっか。」 「でも、かえでと2人、なんとか乗り越えてきたつもりです。寂しいですけど、その悲しさにずっと甘えてもいられない。」 ___大変なのは、そこからでした。 隣に座って、そう続けるひよりの横顔は儚くて今にもこの夜の闇に消えてしまいそうだった。
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