02.レッドは、絆される

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「母が亡くなったのは、私はまだ高校生になるタイミングで、かえでは幼稚園で。 頼れる親戚は、先程お話した遠縁の松原(まつばら)さんだけでした。 彼女に、高校生の貴女がかえでと2人で暮らしていくのは無理だと言われて、私は返せる言葉が無くて。 高校生のバイト代なんて、たかが知れています。 何よりまだ幼いかえでを、1人にさせる時間が長すぎる危険がありました。」 「……もしかして、」 「テレビ局で仕事をされてた松原さんは、かえでを芸能界で活動させろと。 そうすれば出来る限りのバックアップもすると、そう仰いました。」 「かえでは嫌がらなかったのか。」 「最初は、私を芸能界に入れようとしたんです。ハーフのモデルの需要は絶対あるからって。」 「2人は…」 自分の目を指差して微笑んだひよりの瞳は、やはり綺麗な青色が入っていた。 「母が、イギリス人でした。 この瞳も、昔はよくからかわれたりもしましたけど、母が残してくれたものだと思って私は大切に思っています。 かえでの瞳の青は、もう少し暗くて少しずつ薄くなっていってますけどね。」 ひよりがアイスブルーのような透き通る青さだとしたら、かえでは深みのある藍色という感じだろうか。 「うん。2人とも綺麗な色だと思う。」 言葉はすんなりと音になった。 ひよりは、ありがとうございますとはにかんだ。そういう笑顔をもっと見たいと思ってしまうのは何故だろう。
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