02.レッドは、絆される

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「……」 「傷ついたことも、悩んでることも、ちゃんとかえでに言えば良い。喧嘩したって別に良いだろ、兄弟なんだから。」 「かえでは、私にこれ以上呆れたり、怒ったり、しないでしょうか…」 「それは知らない。」 「え!!!」 先程まで伏し目がちだったひよりは、俺の発言に勢いよく顔をあげる。 その瞬間、俺はひよりの顎を固定するように右手を添えた。 「ほ、穂積さ…」 「ひよりはすぐ俯くから。まずはちゃんと前見る癖付けないとな。」 「……はい。」 「そのアイスブルーが見られないなんて、勿体ないだろ。」 「、」 言った後に、想像以上の自分の言葉の糖度に羞恥が募る。なんだこれ、柄でも無い。 気まずくなって、何も言わないひよりにそっと視線を合わせると、そのアイスブルーは驚いたように大きく開かれていて。 それから、目尻を下げてふわりと笑った。 「……穂積さん、ありがとうございます。」 「うん。」 ひよりの嬉しそうな笑顔は、俺の中の何かを満たしていく。 至近距離で視線を絡ませていることに恥ずかしくなったのか、何度か目を瞬いたひよりの方が今度は気まずそうだった。 薄暗い部屋の中でも、その頬が赤らんでるのが分かって俺の中の悪戯心が顔を出す。 「穂積さん、あの、手を離してください…」 「んーどうしようか。」 「な、なぜ!!!!」 より近づくと、ひよりは肩を分かりやすくびくつかせる。その顔には大きく"パニック"と書かれていた。
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