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「………ひい姉は、俺のことなんか気にしなくていいんだよ。」
近くに置いてあったペットボトルを弄びながら、かえではそう言う。
口を尖らせて少し拗ねたような話し方をするかえでは、年相応の幼さが見えた。
「…それは無理だろ。ひよりがブラコンなんてそんなこと、かえでが1番分かってるだろ。」
「それじゃ、だめなんだ。」
「かえで。」
「…俺はひい姉と一緒にいたくない…っ
守ってって言ったのは、ひい姉をちゃんと説得して、って意味だよ…!」
顔を苦しそうに歪めてそう叫ぶように言ったかえで。
何が、こいつにそんな表情をさせているのか分からなくて俺の中で焦燥感が募る。
「こら、待て…!」
なんでそんなひよりを遠ざけようとするんだ、
そう聞こうとした瞬間には、かえでが勢いよく楽屋を飛び出していた。
慌てて追いかけてドアに向かうと、
「___ご、ごめんなさい。」
そこには、制服姿のひよりがいた。
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