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その後、かえでの事務所近くの定食屋でバイトを始めたひよりは、高校に通いながら調理師免許を取得。
その定食屋を経営する会社で、卒業後は社員として働けるらしく、並行して食に関する資格の勉強に励むらしい。
単純でしょう?そう言って笑うひよりはとても嬉しそうで。
「あの作品の中の彼との出会いは、私にとって一生特別です。」
「、」
初めて台本を読んだ時、絶対にこの役をやりたいと思った。
複雑なサスペンスでも無くて、なんなら最後は呆気ないとも言える終焉。
だけど、人を動かすのなんて、実はとても些細なことなのかもしれない。
俺が演じるこの役で、誰かの心が動くこともあるだろうか、なんて、そんなことを思ってしまったのだ。
"___正統派路線でもっといけたのに。
どうしてこんな勿体ないことしちゃったの?"
でも、そんなのは理想論だと、どこかで思っていた。
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