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私が働く定食屋では、夜はお酒も提供し、昼のランチ時とはまた別の賑わいを見せる。仕事終わりのサラリーマンで、そろそろお店も混み合う時間だ。
「ひよりちゃん、3番テーブルさんにこれお願い」
「はい!」
店長も、店長の奥さんもとても優しく、働き始めた当初からずっとお世話になってきた。
社員になることも1番喜んでくれた。
ここで働けなくなるのは寂しいが、これから一生懸命本社で頑張ることが恩返しになる筈だ。
「お待たせしました、晩酌セットです。」
「ありがとう。」
3番テーブルのお客さんは、初めて見る顔だった。
とても高級そうなスーツ姿で、でも見せる笑顔や物腰は柔らかく、そして何より顔が驚くほど整っていた。
穂積さんで少しは慣れたかと思っていたけど、また違った美、という感じだ。
「……三ツ谷ひよりさん、だよね。」
「……は、はい?」
そんなことを考えていたら、急に名前を呼ばれて間抜けな顔で返事をしてしまった。
「初めまして。昴の事務所の者です。」
やはり笑顔を携えたまま、彼はそう告げた。
「…、!そ、そうでしたか…!
穂積さんには、大変お世話になっていて…」
「そうみたいだね。
ちょっと、度が過ぎて仲良しだと聞いてる。」
「っ、」
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