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「…まあでも、昴の持論は納得できるな。私も人と適度な距離でいつも居たい。なんならずっと家に居たい。」
「…おい根暗。」
国民的女優と呼ばれるこいつは、実は私生活は相当冷めている。
俺が志麻を探っていた時は絶対にその片鱗を見せなかったが、今となってはもうあの時の営業スマイルの欠片も無い。
そう言ったら、その言葉あんたにそのまま返すわと志麻は呆れていた。たしかに。
「でも、絶対これから昴は出会うと思うよ。」
「…何が。」
「距離なんてお構いなしに、追いかけたくなる人。」
国民的女優は、びっしりと書き込んである台本を片手に、にやりと笑った。
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