03.レッドは、知る

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__________ ___ 俺は、撮影の合間にかえでの収録現場へ向かった。 絶賛撮影中のかえでは俺に気がついていないらしく、スタッフに挨拶をしてモニターでその演技を暫く見ていた。 「…なんか、変だな。」 今日のかえでは、問題なく役をこなしてはいるが、どこか歯切れが悪いような気もする。 そして、俺は漸くその違和感に気づいた。 「___かえでっ、!」 俺がそう叫んだ時には、既にかえではセットのベンチに崩れるように座り込んでいた。 ◻︎ 「……すばる?」 「気がついたか。」 医務室のベッドに運ばれたかえでは、30分ほど寝ていたが目を覚ましたようだ。 「……撮影は?」 「大丈夫。お前のシーンは問題なく済んだよ。今は別キャストの部分を撮ってる。」 「そっか。」 「お前ね、体調悪いなら無理すんな。 スタッフに心配かけたら意味無いだろ。」 かえでのおでこを冷えピタ越しに小突くと、小さな声でごめん、と呟きが聞こえた。 「熱もそんなに高くは無いけど。 まあでもお前の姉ちゃんは連絡したら卒倒しかけてた。」 「ひい姉は…?」 「学校終わって、多分爆速で今向かってるところ。」 恐らく、そろそろ到着する頃だろう。 「連絡しなくて良いのに。」 布団を口元までかぶって、こちらを睨む深青の瞳の少年。
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