03.レッドは、知る

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「そういうわけにはいかないな。 だって俺、かえでがひよりをどう思ってるのか、何も知らないし?話してもらってないし?」 「…すばるは意地悪だ。」 「今頃気づいたか。俺はお人好しじゃないからな。」 戯けたように笑いながらそう言うと、かえでが布団を握る手にぎゅ、と力を込めたのがわかった。 「……嘘だ、お人好しだよ。」 「ん?」 「見ず知らずの、俺たちを、なんでここまで気にかけてくれんの…っ、」 かえでは、今度は布団で顔を覆う。 その手が震えていることを俺は見逃さなかった。 「……かえでが、守ってって言ったんだろ。」 ず、っと鼻をすする音が聞こえる。 「ひよりだけじゃないよ。俺は、お前も守りたい。」 「、」 かえでの髪をぐしゃぐしゃと乱すと、布団の中から、思った通りだった、と呟く鼻声が聞こえた。
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