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暫くの沈黙の後、ひよりは小さくか細い声のまま、
「……穂積さん。私、このままじゃ、かえでを迎えになんて行けません。」
もう今すぐ泣き出してしまうんじゃないかと思えるような、切ない声色だった。
「なんで。」
「穂積さんにも、潮音さんや美月さんにも。
他の方に頼ってばかりで、どんどん情けない自分が加速している気がします。自分で、ちゃんと戦わなきゃ、って思って、」
「……ひより。分かった。
あの女と戦うって決めたことも反対なんてしない。
でも、それを応援するのは駄目なの。」
「っ、」
___傍で、見守るのも駄目なのかよ。
ぎゅう、と掴んでいた手に力が籠る。
離したくないんだって、その気持ちがこいつに伝われば良いのに。
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