03.レッドは、知る

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________ _____ 1000%、嫌われた。おめでとう自分。 昨日の自分の言葉を思い出して、胸がチクチクと痛む。自業自得だ。 松原さんに呼び出されたテレビ局へ向かう道中で、昨日の穂積さんとの会話がぐるぐると脳内で繰り返されていた。 恐らくもう、私に笑いかけてくれることは無いだろう。なんなら、会うことも無い、か。 だけど、これで良かったんだ。 「っ、」 視界が滲んでいく感覚に私は慌てて歩みを進めた。 ___嬉しかった。 俯いてばかりの自分が嫌いだったから。 前を向く癖をつけろなんて、 私の青い瞳を見せないのは勿体ないなんて、 今まで、そんなことを言われたことは無かった。 自分でさえ、思ったことが無かった。 「…これ以上、迷惑かけられないよ。」 どんなに嬉しかったか、本当は彼に伝えたかったけれど。 私が側にいることが穂積さんの迷惑になるかもしれないなら、喜んで離れるよ。
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