03.レッドは、知る

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"ひより。絶対に居るからね。これから、ひよりの全部を認めて、大事にしてくれる人。 そしてもし出会ったら、ひよりも、その人を全力で守ってね。" 出会ったばかりの私の手を取って、なんの迷いもなく助けてくれた。 弱くて臆病で、かえでにも向き合えないでいる私に、喧嘩すればいいだろなんて、笑ってくれた。 作りすぎたお弁当を、無言で全部食べてくれた。 穂積さんは、面倒なことが嫌いだなんて言うけど、そんなの嘘だ。 あんなに、優しい人は居ない。 お母さん。 私も少しくらい、あの人を守ることができたかな。
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