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「邪魔者はさっさと退散するわ。
社長、契約は後日改めてで構いませんよね。」
女がそう確認すると、社長は快く頷いた。
「…松原さん、!」
部屋を出て行こうとするその足を止めたのは、ひよりだった。
「…今まで、ありがとうございました。
松原さんがいなければ、私たちは生きてこられませんでした。」
「…私は、あんた達を利用してただけよ。
かえでのおかげで、私はいろんな場所にパイプもできたし。仕事がしやすくなるわ。」
「それでも。あの日、迎えに来て下さった松原さんのことをずっと忘れません。」
深々とお礼を言ったひよりに、
「…私みたいなのに、もう付け入れられないようにね。」
そう笑った女は、社長や潮音さん、俺に一礼して去って行った。
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