03.レッドは、知る

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「邪魔者はさっさと退散するわ。 社長、契約は後日改めてで構いませんよね。」 女がそう確認すると、社長は快く頷いた。 「…松原さん、!」 部屋を出て行こうとするその足を止めたのは、ひよりだった。 「…今まで、ありがとうございました。 松原さんがいなければ、私たちは生きてこられませんでした。」 「…私は、あんた達を利用してただけよ。 かえでのおかげで、私はいろんな場所にパイプもできたし。仕事がしやすくなるわ。」 「それでも。あの日、迎えに来て下さった松原さんのことをずっと忘れません。」 深々とお礼を言ったひよりに、 「…私みたいなのに、もう付け入れられないようにね。」 そう笑った女は、社長や潮音さん、俺に一礼して去って行った。
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