03.レッドは、知る

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「…かえで。 前に、"見ず知らずの俺たち"って言ってたけど、違うよ。俺はお前のこととっくに仕事仲間だと思ってる。」 そんな2人に近づいて、しゃがんだ俺はかえでと視線を合わせる。 「熱が出たって、お構いなしに撮影第一で動くんだ。お前は立派な役者だよ。」 笑ってかえでの頭を撫でると、かえでは照れ隠しのように子供扱いすんなよ、と頬を膨らませた。 「でも、別に俺はヒーローじゃないな。」 「…え?」 「俺はひよりとかえでだから助けたんだよ。」 「俺たち限定ってこと?」 「そう、だって俺、基本は面倒なこと嫌いだから。」 ヒーロー失格じゃん、と呟くかえでに俺は微笑む。 良いんだよ、大体俺をレッドなんて呼ぶのお前らだけだから。 ___ひよりとかえでが笑っていれば、それでいいよ。 そう伝えると、かえでは綺麗な瞳を滲ませて困ったような表情を見せて。 「…すばる、来てくれてありがとう。」 そして、嬉しそうに歯を見せて屈託なく笑うから、俺も釣られて笑った。
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