03.レッドは、知る

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◻︎ 「…かえで。_____________。」 抱きしめ合う2人の隣にしゃがみ込んでいた俺は、そのままの態勢で、かえでにこっそりと声をかける。 かえでは、抱きしめられていたひよりの腕から離れ、俺を見つめる。 「…本気?」 「うん。大真面目。」 言葉短く、でも真剣にそう言うと、かえではケラケラと面白そうに声を出す。 「…すばるなら、良いよ。」 「良かった、ありがと。」 俺とかえでの会話が聞こえていないひよりは、目の前の流れを理解していない表情だった。 いざ彼女に言うとなると、らしくなく緊張している自分に気がついて苦笑いが漏れた。 俺は、漸くひよりに視線を合わせる。 だけどその瞬間、こちらを見る透き通ったアイスブルーに、言葉は自然と次いで出た。 「ひより、ごめん。俺、お前が好きなんだ。」 ____どうしようもなく。 「、」 気持ちを伝えたら、心はスッと軽くなった。 嗚呼、もういいや。 ひよりに拒まれたってなんだって、これからを生きていくこいつが笑っていられれば良い。 微笑む俺を見て、ひよりは一瞬泣きそうになって、それから何かを決めたように唇をキュ、と結んで立ち上がった。 アイスブルーには、強い意志が宿っていた。
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